サンスーシ宮殿を見学するためには、宮殿の裏側(庭側ではないほう)から中に通されますが
裏側に行く際、こちらを見かけたと思います
遠くて少し見づらいですが、こちらはRuinenberg(ルイーネンベルグ、「廃墟山」)と呼ばれています。 廃墟山にたどり着くには、サンスーシ宮殿から20分ほど歩きます。 山頂からの景色はとても綺麗なので、時間に余裕があるときはぜひ登ってみてください。
見た目は完全に「廃墟」! まるで古代ギリシャ時代からずっと建っていたかのように見えます。 一見とても古そうに見えますが、これは本当は計算されて人工的に作られた「廃墟」なんです。
情報をまとめると
「1748年、フリッツ親父の命令により、建築家が綺麗な景色を作るためにアンティークっぽいものを建てた」
とのことです。なので、特に意味もなくピラミッドっぽいものも置いてあります。
当時は廃墟ってロマンチック!ちょっと切ないのがいい!と流行っていたそうです。
これだけではありません。 そもそもこの廃墟山は貯水池として利用するために作られました。 山で貯めた水は、サンスーシ公園の噴水まで流れるはずでしたが、当時の技術では実現がまだ難しく、結局その計画はぽしゃりました。公園の噴水から水が出ているところをフリッツは生涯みることはなかったそうです。
フリッツ親父、当時の廃墟山にて。(もちろん愛犬と一緒)
貯水池は壁が高いので、こちらの塔を登らないと見えません
(166cmの私はジャンプして水面がチラッと見えただけです;)
「ノルマン塔」。 フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の時代、1846年に建てられました。 入場料は2〜3ユーロです。入り口は狭く、あまり観光客がこないせいか、ゆるい感じで受付のひとが外で休憩していることも。 入ったら、まずはとてもモダンな階段を登ります。
中はなぜモダンかというと、ノルマン塔は第二次世界大戦のときに一部が破壊され、ソ連時代は管理されていなかったため、ドイツ再統一後にようやく改装されたからです。(改装作業は2002年に終わりました)
ちなみに左の部屋に入ると、廃墟山の歴史についての説明が展示されています。
(『「私は十分賢い!一人で計算できるから、専門家の知恵はいらない!!」という意地っ張りな王のおかげで最後まで貯水池の水は公園まで流れることはなかった』という記録があって笑ってしまいました)
塔の上につくと
こんな景色が! 手前は大きな貯水池、もっと向こう側にはサンスーシ宮殿が見えます。
ここから景色は360度見えますが、正直サンスーシ宮殿方面以外はお見せするほど面白くありません;
ロマン溢れる人工的な廃墟と、失敗で終わった貯水池。
廃墟山で意外な秘密を知ることができたので、ちょっとした散歩がとても面白かったです。