サンスーシ宮殿(独:Schloss Sanssouci、仏:Palais de Sanssouci)は1745年~1747年にかけて、プロイセン国王・フリードリヒ2世(Friedrich der Große:フリードリヒ大王)の夏離宮として第2次シュレジェン戦争中に計画され、建築開始から、わずか2年で完成しました。 名前の「サンスーシ(Sans Souci)」とは、フランス語で「憂いなし」の意味です。宮殿の建物および庭園は1990年に「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」の1つとして、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
徹底したロココ様式にこだわり「フリードリヒ・ロココ」とよばれるロココスタイルの代表建築と言われています。
平屋建てで、バロック時代に建てられたベルサイユ宮殿等に比べると大変小さな可愛い宮殿です。この宮殿の建築に関しては、フリードリヒ大王自ら、デザインから設計の一部を行うくらいこだわったといわれています。
外装は、ドーム型の青い屋根に壁は明るい黄色に塗られており、いかにもロココといった感じです。宮殿後方には宮殿中央部建屋から左右から半円に双子円柱が並ぶ柱廊があります。ベンチなどもあり、自由に休憩することもできます。チケット売り場や拝観時の入り口、宮殿内ショップは裏側にあります。
宮殿はちょうど丘の上に建てられており、正面に広がる庭園はテラスが広がり、段ごとには葡萄と無花果が階段を挟んで左右対称に植えられています。フリードリヒ大王も「葡萄の丘の小さな我が家」と呼んでいたそうね。葡萄は内部の装飾モチーフとしていたるところに使われており、この宮殿の象徴的な植物になっています。ちなみに大王は自身の署名も「サンスーシの哲学者」と書くくらい、この宮殿をたいへん愛していました。
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内部の拝観ですが、宮殿の裏側のチケット売り場でまずチケット購入。
※2016年2月現在 入場料12ユーロ、写真撮影チケット3ユーロ(当日限りプロイセン財団管理宮殿すべて有効なので中国茶館や新宮殿等で当日なら使えます)入場時間は10時~17時または18時(季節により違いますので要確認)月曜休館です。ちなみに新宮殿は火曜休館なので両方行きたい場合は水曜日~日曜日で予定立てましょう。
入館は時間制でだいたい20~30人くらいのグループで10分毎くらいで区切られます。朝一で行くと、だいたいどの時間でも選べますが、休日やお昼くらいだとすぐに入れずに1~2時間後になることもあるようです。入ったらすぐに音声ガイドを貸出ししてもらえます。日本語もばっちり対応してますのでとっても安心です。
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1、絵画の廊下
サンスーシ宮殿内の絵画はだいたい18世紀のころのが中心に集められてます。ここに入りきいらない絵画は隣の絵画館にも展示されています。
2、図書室
円系のお部屋の図書室もたいへん可愛い造りです。立ち入りはできないのでガラスごしに見学。天上が見事です。
3、執務室&居間
執務室&居間(寝室)だったお部屋です。
大王が亡くなった時に座ったとされる椅子が展示されておりそばの時計はなくなった時間で止められているそうです。有名な大王の72才の肖像画等、若いころから両親の肖像画まで、数点展示されてます。なお、亡くなってすぐに部屋は改装されたそうで当時の内装ではないそうです
4、音楽室
当時の内装の仕様で残ってる宮殿でも一番有名なお部屋です。
格子の床に楽器や果物をモチーフにしたロココ的な装飾がいたるところに見受けられます。またここの天井は蜘蛛の巣状の模様がとてもきれいです。展示されているフルートは大王の遺品だそうです。螺鈿細工の譜面台も素敵です。
メンチェルさんがフルートコンサートの絵を書いていますが当時もこんな感じでコンサートが行われてたのかもですね(フルートコンサートの絵はベルリンの旧国立美術館にあります)
5、絵画の間
右はジャン=フランソワ・ド・トロワの代表作「愛の告白」。サンスーシ宮殿内は18世紀の有名どころの画家の作品がてんこ盛りです
6、宴会の間
ドーム状の屋根の下になるお部屋です。こちらで大王はお気に入りの友人たちを集めてパーティや食事会を行っていたそうです。見上げると牛の目型の窓から柔らかな光が注いでいます。天井装飾も天使や花、楽器のモチーフで飾られ見事です。
床は大理石で、ブドウをはじめとした果物のモチーフを石で描かれています。
7、中国風の客間
宮殿を正面から見て左側が大王の日常の居室ですが、右側は客間になっています。白と淡いピンクを基調とした中国風のかわいらしいお部屋です。
8、青の客室
今度は白に青を基調としたお部屋です。壁紙の青のストライプがとてもさわやかなのと花柄の床が可愛いです。
9、赤の客室
こちらは赤を基調にしたお部屋です。赤だけどシックなイメージです。家具のクラシックな感じとバランスが取れていますね。ベッドの青い色がとても目に鮮やかでした。
10、ヴォルテールの間
こちらはフランスの哲学者ヴォルテールが滞在した部屋と言われています。
大王は若いころからヴォルテールの大ファンで、1750年から2年間、自らの宮廷に招きました。最初は仲もよかったそうですが次第に険悪になったようで喧嘩別れしたそうです。でもその後も文通は続き交流も続いているのでそばにいたら行けない2人だったのでしょうね。
今までのお部屋とはまるで違うタイプです。黄色をベースに花と果物、森の動物たちで飾られ、まるで森の中にいるかのようです。
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以上で宮殿の拝観コースは終わりです。
部屋数も10ほどの小さな宮殿ですが見どころも満載であっという間に時間も過ぎてしまいました。ほかにもキッチンや、フリードリヒ・ウィルヘルム4世夫婦の居住スペースも拝観できるのですがそれはまた別の機会に・・・
アンディ・ウォーホル(マリリンモンローちかキャンベルスープの作品が有名な方)のフリッツ親父72才肖像画のオマージュ絵がお見送りしてくれます。
拝観コースこれにて終了!ありがとうございました
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なお出口を右に回って庭園側に出たらすぐ左に大王のお墓があります。目立たないので気が付かずに通り過ごすこともあるのでご注意。実際に初めての時はスルーしてしまって探し回りました。
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拝観時間:10:00~17:00(春~秋は18:00)、時間で入れ替え制
11~3月
月曜 | 休館 |
火曜~日曜 | 10:00 – 17:00 |
4月~10月
月曜 | 休館 |
火曜~日曜 | 10:00 – 18:00 |
料金:12ユーロ、写真撮影は別途3ユーロ(1日限り有効、新宮殿等他の宮殿でも使えます)
日本語音声ガイドあり。
住所・TEL:Schloss Sanssouci
Maulbeerallee
14469 Potsdam
SPSG | Besucherinformation
info(at)spsg.de
Tel.: 0331.96 94-200
アクセス:ポツダム中央駅より路線バス 612番、614番、695番などに乗車、サンスーシ宮殿(Schloss Sanssouci)で降車。もしくはブランデンブルグ門前まで乗ってそこから歩いてもいいかもです。ちなみに徒歩なら30分くらいです。
バス乗り場側の反対側からは観光用の1日周遊バスが出ています。だいたい17ユーロ位しますがポツダム市内主要観光地を30分間隔で回っているので、離れたツェツィーリエンホーフ宮殿も行きたいとか、時間ない場合とか、ストの時とか場合は便利です。
投稿者:ハレルヤ